鋼条
こうじょう
名詞
標準
文例 · 用例
あれをつるしてある鋼条が切れる心配はないかというような質問が子供のうちから出たので、私はそのような事のあった実例を話し、それからそういう危険を防止するために鋼条の弱点の有無を電磁作用で不断に検査する器械の発明されている事も話しなどした。
— 寺田寅彦 『断水の日』 青空文庫
この広い倫敦を蜘蛛手十字に往来する汽車も馬車も電気鉄道も鋼条鉄道も余には何らの便宜をも与える事が出来なかった。
— 夏目漱石 『倫敦塔』 青空文庫
――」 と、途端に聞ゆる悲鳴、素破ピストルの弾丸が命中したかと思った刹那、傍らの壁に突然ポッカリと丸窓のような穴が明き、蠅男の右腕がまずポーンと飛びこむと、続いて首と胴が、更に鋼条でつながれた二本の義足が、蛇が穴に匍いこむようにゾロゾロッと入ってゆく――。
— 海野十三 『蠅男』 青空文庫
問題の地下戦車第一号は大型の二台の牽引車に鋼条でつながれ、まわりを小型戦車にまもられながら、ひきずられて、いった。
— 海野十三 『未来の地下戦車長』 青空文庫
「僕は鋼条とペンチを持つ、リーロフ、君は手斧だ」「おれが手斧を持つのか。
— 海野十三 『太平洋魔城』 青空文庫
ほら、その切れた鋼条を、早くつなげばいいじゃないか」 リーロフは、頤でそれを言った。
— 海野十三 『太平洋魔城』 青空文庫
太刀川は、それが順序ではなく、そのためによけいな手間をかけなければならないことを知っていたが、ここであらそうべきでないと思ったので、方向舵の切れた鋼条をつなぐことにした。
— 海野十三 『太平洋魔城』 青空文庫
だが、ペンチをにぎる手は冷えきって、鋼条をちょっとまげるのにも、たいへんだった。
— 海野十三 『太平洋魔城』 青空文庫