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狭衣

さごろも
名詞
1
標準
文例 · 用例
『更級日記』の著者は、東国の田舎にいた娘の時代から文学書を読んで、どうか女に生れた上は『源氏物語』の夕顔や浮舟のような美しい女になって少時でも光源氏のような情ある男に思われたいと、専らその心掛で身を修め、終に都に上って『狭衣』の如き小説を書くに到りました。
与謝野晶子 離婚について 青空文庫
源氏物語の例に、(源氏だとか、枕草子だとかは、成立年代もはつきりしてゐるが、他のもの、例へば宇津保物語にしても、狭衣物語にしても、果して其時代に出来てゐるかどうかは問題になる点が多いので、言語の歴史を正確に見てゆかうといふ資料としては不安である。
折口信夫 古代中世言語論 青空文庫
狭衣物語に、篠のわき葉とあるも若葉なり。
折口信夫 わかしとおゆと 青空文庫
義尚の時代のみならず、義植、義澄の代にわたって、実隆が幕府の眷顧を得たのも主として文筆の功徳であって、文亀三年に実隆新作の能「狭衣」の曲が室町殿において演ぜられ、実隆がわざわざ見物に招かれたなども、一佳話として伝うる価値があろう。
原勝郎 東山時代における一縉紳の生活 青空文庫
ただし実隆といえども能の作者としては不適材であったのか、この「狭衣」の曲のほかには「閔子蹇」というのを作ったが、両曲ともに今は廃曲となっているとのことである。
原勝郎 東山時代における一縉紳の生活 青空文庫
この年朝日新聞記者|栗島狭衣君|牛込下宮比町の寓居に俳人|谷活東子と携提して文学雑誌『伽羅文庫』なるものを発行せんとするや矢来に来りて先生の新作を請へり。
永井荷風 書かでもの記 青空文庫
狭衣物語に、軒の杜若を一筋引き落して、急ぎ書きて、はしたもののをかしげなるして、追ひて奉る。
喜田貞吉 間人考 青空文庫
松居松翁は仙台を舞台にして明治物の捕物を、牧逸馬の林不忘は釘抜藤吉を、続いて栗島|狭衣、森暁紅と文壇的に老人達までが捕物帖を書き出したのは、まさに捕物帖流行前期の姿であったといってよい。
銭形平次以前 随筆銭形平次 青空文庫