陰子
かげこ
名詞
標準
文例 · 用例
わたくしは友を顧みて、百花園を訪うのは花のない時節に若くはないと言うと、友は笑って、花のいまだ開かない時に看て、又花の既に散ってしまった後来り看るのは、杜樊川が緑葉成陰子満枝の歎きにも似ている。
— 永井荷風 『百花園』 青空文庫
高杉大いに長進とは察し候えども、この地にては十分の議論せず帰国、大いに残り多き事どもなり未十月廿日松陰子遠兄足下 ―――――――――――『留魂録』〔人の将に死せんとする、その言や善し。
— 徳富蘇峰 『吉田松陰』 青空文庫
「押開いて来ませ、我や人妻、………」「鮑さだをか石陰子よけん、………」「りらららりるろ、………」そのあとはみんな勝手に、てん/″\ばら/\に好きなことを我鳴り散らして、誰も他人の云うことなんぞに耳を傾ける者はなかった。
— 谷崎潤一郎 『少将滋幹の母』 青空文庫