足業
あしわざ
名詞
標準
文例 · 用例
大亀は、畳の上に、もんどり打って、仰向けになり、足業をつくして刎ね起きると、必死の勢いで、勝手の雨戸を、体で突き破った。
— 吉川英治 『大岡越前』 青空文庫
上になり下にころげして、たがいに致命的な急所をおさえつけようとしているうちに、蛾次郎は竹童のからだへ足業をかけて、その手もとをぬけるや否、パッとかけはなれて、「くるかッ」 と、短銃の筒さきを竹童にむけた。
— 吉川英治 『神州天馬侠』 青空文庫
彼の足業は虎をして狼狽させた。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
姦夫の足業は武大を悶絶させ、妖婦は砒霜の毒を秘めてそら泣きに泣くこと 武大はいつもの公園に出て、蒸饅頭の蒸籠店をひろげていた。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
そして起き上がるところをまた、西門慶得意の足業らしく、武大のみぞおちを狙ってばっと蹴とばした。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
汝をこそ、裏切り者とは申すのだ」「くそうッ」 主殿助は、死にもの狂いに、足業を仕かけたが、助右衛門の声に駈け上がって来た兵たちが、忽ち、かれを高手小手に縛めた。
— 第十一分冊 『新書太閤記』 青空文庫
もつれて二、三歩、二人の体がよろけ合ったかと見ると、軽く身を寝かした金吾が、敵の体を足業に乗せて、ストンと猫|回りに乗りかかって、手もなくそこへ捻じ伏せました。
— 吉川英治 『江戸三国志』 青空文庫
――胸いたへ一|槍、真額へ一太刀と、不破、奥田の打撃が加えられたが、それでもまだ小林平八郎は、仰向けに仆れながら、太刀を振り足業を働かせて、『ウウム――』 と、最後の一息を結ぶまで、戦闘をやめなかった。
— 吉川英治 『新編忠臣蔵』 青空文庫