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持て余し

もてあまし
名詞
1
標準
文例 · 用例
だから私は、私の持つてゐる極めて稀薄な人間的要素をも持て余してゐた。
葉山嘉樹 万福追想 青空文庫
衰えた身体を九十度の暑さに持て余したのはつい数日前の事のように思われたのに、もう血液の不充分な手足の末端は、障子や火鉢くらいで防ぎ切れない寒さに凍えるような冬が来た。
寺田寅彦 厄年と etc. 青空文庫
持て余しておりました処へ、ちょうど荷車を曳きまして、藤沢から一日|路、この街道つづきの長者園の土手へ通りかかりましたのが……」 茜色の顱巻を、白髪天窓にちょきり結び。
泉鏡花 草迷宮 青空文庫
紺絞りの首抜きの浴衣を着て、赤|毛布を引き絡い、身を持て余したるがごとくに歩みを運び、下駄の爪頭に戞々と礫を蹴遣りつつ、流れに沿いて逍遥いたりしが、瑠璃色に澄み渡れる空を打ち仰ぎて、「ああ、いいお月夜だ。
泉鏡花 義血侠血 青空文庫
殆んど我身を持て余した頃の、其の夜……「お前様が逢はしつた坊主が来て、のつそり立つた。
泉鏡太郎 神鑿 青空文庫
私は、私自身を持て余した。
太宰治 一燈 青空文庫
独で画を書いているといえば至極|温順しく聞えるが、そのくせ自分ほど腕白者は同級生の中にないばかりか、校長が持て余して数々退校を以て嚇したのでも全校第一ということが分る。
国木田独歩 画の悲み 青空文庫
明けても暮れても姫の名を呼んで、どうぞ一度逢わせてくれと泣き狂うので、屋敷中の者も持て余した。
奥女中 半七捕物帳 青空文庫