手子摺らす
てこずらす
動詞
標準
文例 · 用例
――手こずらす童よと、口叱言をいうのが聞え、同時に、小次郎の腕は、抜けるほど、力づよく、引ッ張られていた。
— 吉川英治 『平の将門』 青空文庫
が、威嚇したり、賺したりして、どうにかして彼女の機嫌を直し氣を變へさせようと焦りながらも、鞄を肩に掛け、草履袋を提げ、白い繃帶の鉢卷した頭に兵隊帽を阿彌陀に冠つた子供の傷々しい通學姿が眼の前に浮かんで來ると、手古摺らす彼女からは自然と手を引いてひそかに圭一郎は涙を呑むのであつた。
— 嘉村礒多 『崖の下』 青空文庫