様扱
さまこき
名詞
標準
文例 · 用例
実際彼の妻のように、良人に対して忠実な奉仕をする女性は、普通の西洋婦人の中にはほとんどなく、これほどまた男が殿様扱いにされる家庭生活も、西洋では考え及ばないことであるから、ヘルンの手紙をよんだ外国人たちが、いかにその日本の友人を羨望したかが想像される。
— 室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ 『小泉八雲の家庭生活』 青空文庫
しかし自分達が何様扱われるかは更に測り知られぬので、二人は畏服の念の増すに連れ、愈々底の無い恐怖に陥った。
— 幸田露伴 『雪たたき』 青空文庫
この初陣の功名に乗じて続いて硯友社の諸豪と轡を駢べて二作三作と発表したなら三唖もまた必ず相当の名を成して操觚の位置を固めたであろうが、性来の狷介と懶惰とズボラとが文壇にも累をなし、その上に硯友社からは新参者として外様扱いされ、紅葉にも余り気に入らないで引立てられなかった。
— ――尾崎紅葉―― 『硯友社の勃興と道程』 青空文庫
周りの人間はその人の気質、人間らしい要求を理解することができないから今までの殿様扱いにする。
— 宮本百合子 『幸福の建設』 青空文庫
長庵はとにかく、お六はこれでも師匠造酒の本妻とも妾ともつかない、謂わばこの下町の道場の大姐御だから、門弟一同、奥様扱いして一|目も二|目も置いているのだ。
— 新版大岡政談 『魔像』 青空文庫
……然し葛城は下等で荷物同様な取扱いをされて非常に苦しんで参りましたのに、私は上等室にて御客様扱いを受けて安楽に暮らして居りますから済まぬような申訳なきような心地がいたして居ります。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
何しろ名医は名医さ、古河公方を中心にして、関東の平野を縄張りにしていたのだが、長谷村の一向寺というのにお像があって、神様扱いを受けている。
— めいろの巻 『大菩薩峠』 青空文庫
触らぬ神に祟り無しだと、神様扱いにして道のりを進め、粟田口から三条橋は渡らず、二条新地をずんずん北に取って、八瀬大原の方へと急ぎます。
— 椰子林の巻 『大菩薩峠』 青空文庫