鋲打ち
びょううち
名詞
標準
文例 · 用例
そのかげに身をひそめた左膳が、近づく駕籠を半暗にすかして見ると――蝋色鋲打ちの身分ある女乗物。
— 日光の巻 『丹下左膳』 青空文庫
鋲打ちの門や土塀などに囲まれた、それは広大い屋敷であったが、いかにも古く、住人も少ないかして、森閑としていた。
— 国枝史郎 『血曼陀羅紙帳武士』 青空文庫
黒塗りの金鋲打ち、引き戸に総を下げた駕籠であった。
— 国枝史郎 『血煙天明陣』 青空文庫
タタタタタタ、鋲打ちの響がする。
— 宮本百合子 『ズラかった信吉』 青空文庫
近くで|鋲打ちでもはじまったようなすごい音がする。
— 久生十蘭 『だいこん』 青空文庫
やがて通路のドン詰まりに来ると、大きな錠付き扉があり、この頑丈な半円形アーチ扉に、古風な鉄錠が鋲打ちされていた。
— THE ROMANCE OF THE SECRET SERVICE FUND 『諜報部秘話』 青空文庫
前なるお美津は、小鼓に八雲琴、六人ずつが両側に、ハオ、イヤ、と拍子を取って、金蒔絵に銀鋲打った欄干づき、輻も漆の車屋台に、前囃子とて楽を奏する、その十二人と同じ風俗。
— 泉鏡花 『南地心中』 青空文庫
金鋲打った飾り駕籠に不審はなかったが、いぶかしいのは赤い提灯そのものです。
— 旗本退屈男 『旗本退屈男 第一話』 青空文庫