気魂
きこん
名詞
標準
文例 · 用例
其中漫筆 酔中戯作一首あなた ドウテイわたくし シヨヂヨよ月があかるい虫のこゑ 其中漫筆□私俳句とは――□リアリズム精神 自由、流動、気魂。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
それでなくともあっしはサッキから死物狂いに暴れたアトで精も気魂も尽き果てておりましたので、カント・デックの片手に吊下げられたまま死人のように手足をブラ下げながらそこいらを見まわしますと、それはどこかの工場の地下室としか思えません。
— 夢の久作(夢野久作) 『人間腸詰』 青空文庫
孤独を訴える坤竜丸の気魂であろうか。
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫
土器の油皿、一本|燈心の明りに照らしだされた蒼白い額に観相に長じている忠相は、非凡の気魂、煥発の才、雲のごとくただようものをみたのである。
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫
団十郎の五右衛門を評し、「山門がせり上るため見識が下つてはならぬ」といふはよけれど、「この考が先入主となりて、ただ大な声と目をむくだけで気魂精神更に加はらず」といひ、菊五郎の秀吉のみを大に褒めしは例の片贔負なり。
— 三木竹二 『両座の「山門」評』 青空文庫
一同は、はるか下方に眺められるキングス・ベイの真白な荒野をふりかへつて、勇者の気魂を深い呼吸と共に呑みこんだ。
— 豊島与志雄 『北極のアムンセン』 青空文庫
だらしなく向ひ合つてゐる膝をくづした両棋士、必死のものを電流の如く放射する、それは二人の人間のからだからでも精神気魂からでもなく、私にはそれがもうたゞ宿命、のがれがたい宿命、それが凝つて籠つてゐるからだ、と思はれた。
— 坂口安吾 『散る日本』 青空文庫
彼は州城内の一|宇、霧谷観と額のある堂の真ン前に佇んで、虚空を仰いでいたのであり、師から授かった“五雷天※”の秘咒に気魂を凝らしていたのだった。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫