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拳大

こぶしだい
名詞
1
標準
文例 · 用例
その氷河で思い出したが、私が桑港にいるとき、一九二四年九月十八日の夕、新聞の号外売りが、声高く「ラッセン火山大爆裂、シャスタ氷河大融解」と、大の字|尽くしで呼んでいるので、耳寄りに思って買って見ると、いかにもシャスタ山の、氷河融解、大洪水来と、拳大の活字で見出しがついている。
小島烏水 火と氷のシャスタ山 青空文庫
見ると此の少女の帶の結び目も漸く拳大さに過ぎないのであつた。
長塚節 旅の日記 青空文庫
テラテラ光った拳大の肉塊が襟と耳との間に盛上っている。
中島敦 狼疾記 青空文庫
僕も左の耳を噛まれて、握拳大の瘤を出かした。
大杉栄 獄中消息 青空文庫
永年の間あの水門の把手を担ぎ慣れてゐる彼等の肩には、恰度握り拳大の力瘤がむつくりと盛りあがつてゐるではないか!
牧野信一 バラルダ物語 青空文庫
これを水晶判断と謂って、西洋の一部信者のあいだにはあらたかなものとされているが、ノルマも、拳大の硝子玉を大事にしていて、それを凝視めては、始終独り占いをしていた。
牧逸馬 生きている戦死者 青空文庫
(靴の足跡と云うのは実は藤枝や林田や私のものであると後に判つた)(三)駿太郎の死体から東南方約十間程の草の中に血まみれになつた拳大の石が発見された。
浜尾四郎 殺人鬼 青空文庫
――日々の気持ちが荒み果てて来ると、寮では、精神修業に唐手が流行しだしたが、唐手をやり出してから、便所の壁には拳大の穴が明き、障子の桟は折れ、硝子は破られて、寮内の所々方々が、誰のしわざともなく荒されて行つた。
林芙美子 瀑布 青空文庫