軈
軈
名詞
標準
文例 · 用例
『あれ』屍を守る見樣で、棒の如く突立つた女は、軈て俄然と身を投て、伏重なつたと思ふと、熟と僵れて身動も仕無い。
— 萩原朔太郎 『二十三夜』 青空文庫
軈て資本家達も良心を眼覚すであらうから。
— 葉山嘉樹 『工場の窓より』 青空文庫
希望と憧憬とを以て、軈て来る理想の暖かい光を待たう。
— 葉山嘉樹 『工場の窓より』 青空文庫
軈て二|階に寐床を慥へてくれた、天井は低いが、梁は丸太で二抱もあらう、屋の棟から斜に渡つて座敷の果の廂の処では天窓に支へさうになつて居る、巌丈な屋造、是なら裏の山から雪頽が来てもびくともせぬ。
— 泉鏡太郎 『高野聖』 青空文庫
其後から爪先上り、軈てまた太鼓の胴のやうな路の上へ体が乗つた、其なりに又下りぢや。
— 泉鏡太郎 『高野聖』 青空文庫
)と嘲るが如く言ひ棄てたが、軈て岩の陰に入つて高い処の草に隠れた。
— 泉鏡太郎 『高野聖』 青空文庫
軈て脊戸と思ふ処で左に馬小屋を見た、こと/\といふ物音は羽目を蹴るのであらう、もう其辺から薄暗くなつて来る。
— 泉鏡太郎 『高野聖』 青空文庫
枝から枝を伝ふと見えて、見上げるやうに高い木の、軈て梢まで、かさ/\がさり。
— 泉鏡太郎 『高野聖』 青空文庫