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えん
名詞
1
標準
文例 · 用例
菊はまだ咲かないか、そんなら紫でも切ってくれよ」 本人達は何の気なしであるのに、人がかれこれ云うのでかえって無邪気でいられない様にしてしまう。
伊藤左千夫 野菊の墓 青空文庫
きのふ山より摘みてかへれば、紫はなしぼみて、すでに秋の愁ひをさそふ。
――大沼竹太郎氏ニ捧グル詩―― 立秋 青空文庫
まして大宮浅間の噴泉の美は、何とであろう、磨きあげた大理石の楼閣台※も、その庭に噴泉がなかったら、頓に寂寞を感ずるであろう。
小島烏水 不尽の高根 青空文庫
マラルメやルハアレン一派の La Jeune Belgique, そのほか La Semaine, Le Type. いづれも異國の藝に咲いた眞紅の薔薇。
太宰治 ダス・ゲマイネ 青空文庫
木綿をきり売りの手拭を下谷の天神で売出した男の話は神宮外のパン、サイダー売りを想わせ、『諸国咄』の終りにある、江戸中の町を歩いて落ちた金や金物を拾い集めた男の話は、近年隅田川口の泥ざらえで儲けた人の話を想い出させて面白い。
寺田寅彦 西鶴と科学 青空文庫
公|爵、男|爵、老政客、天文學|博士、實業家など、藝では一時|的に中村時|藏や千|葉早智子なども住んでゐたし、シロタやトドロヰッチ夫人のピアノ彈奏を立ち聽きした事もあるし、所謂見|越の松|風の淑女も幾人か住むといふやうな物|靜かな屋|敷町でもある。
―將棋いろいろ― 下手の横好き 青空文庫
何でも第二|次奉直戰爭の時などは自分の方の旗色がよかつたせゐもあつただらうが、戰線のことは部下任せにして置いて、宮の奧深くお氣に入りの嬪妾や嬖臣達を相手に日もす夜もす麻雀に耽り樂しんでゐたと言ふ。
南部修太郎 麻雀を語る 青空文庫
時時風を交へて降りまさる雨のしぶきの中、文壇藝の華やかな顏の往き來を前にして、不遜にもこのお辭儀役達必ずしも神妙に控へてもゐなかつたが、とにかく役目を濟まし、最後の燒香を終へてホツと一息吐いた。
南部修太郎 日曜日から日曜日まで 青空文庫