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浮き雲

うきぐも
名詞
1
標準
文例 · 用例
雨となりしぐるる空の浮き雲をいづれの方と分きてながめんどこだかわからない。
源氏物語 青空文庫
浮き雲にしばしまがひし月影のすみはつるよぞのどけかるべき 頭中将である。
松風 源氏物語 青空文庫
翌日、方子は斜面に寝ころんで、貂のような、空の浮き雲をうっとりと眺めている。
小栗虫太郎 方子と末起 青空文庫
今こそ徳川は不幸にして浮き雲におおわれているが、全く滅亡する事は惜しい、そう多くのものは言っている。
第二部上 夜明け前 青空文庫
長い筆のように直立したピーノの樹は、丘々の皺を廻って連らなり、浮き雲の高く天空に動かぬ裾で、終日地上の祈りをしているようだ。
横光利一 欧洲紀行 青空文庫
すると、夜はもうすつかり明けてゐるが、日は照らず、と云つて雨にもならず、永い晝過ぎは夕方のやうに薄暗く、穩かに曇つて、鳥の聲にも力がなく、花は無心に散りかけ、池や水田や水溜りの沈んだ水の面に、浮き雲の動く影が、動かない木立と花との反映の中に溶け込んで行く。
永井壯吉 歡樂 青空文庫