這箇
這箇
名詞
標準
文例 · 用例
ただ僅かに我が歌調を這箇の中に築かむとするのみ。
— 北原白秋 『白南風』 青空文庫
△捨てるも捨てないもない、さういふ考へを捨ててしまへばそれでよいのだ、即今の這箇に成りきればそれでよいのだ。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
「内にはお客は今|幾箇有るのだね」「這箇の外にお一方で御座りやす」「一箇?
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
這箇は気が気ぢやないところへ、もう悪漆膠くて耐らないから、病気だと謂つて内へ遁げて来りや、直に追懸けて来て、附絡つてゐるんでせう。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
私は全で生捕に成つたやうなもので、出るには出られず、這箇の事が有るから、さうしてゐる空は無し、あんな気の揉めた事は有りはしない――本当にどうせうかと思つた。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
なあに、私は足蹴にされたつて、撲れたつて、それを悔いとは思やしないけれど、這箇だつて貴方と云ふ者が有ると思ふから、もう一生懸命に稼いで、為るだけの事は丁と為てあるのに、何ぼ慾にきりが無いと謂つても、自分の言条ばかり通さうとして、他には些でも楽を為せない算段を為る。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
私だつて金属で出来た機械ぢやなし、さうさう駆使はれてお為にばかり成つてゐちや、這箇の身が立ちはしない。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
這箇も鬱勃肚で、飲めも為ないのに幾多でも引受けたんだけれど、酔ひさうにも為やしない。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫