素知らぬ顔
そしらぬかお
表現名詞
標準
feigned ignorance
文例 · 用例
「我子とは誰ぞ」老婦は素知らぬ顔にて問いつ、「幸助殿はかしこにて溺れしと聞きしに」振り向いて妙見の山影黒きあたりを指しぬ、人々皆かなたを見たり。
— 国木田独歩 『源おじ』 青空文庫
自分はそっとこの革包を私宅の横に積である材木の間に、しかも巧に隠匿して、紙幣の一束を懐中して素知らぬ顔をして宅に入った。
— 国木田独歩 『酒中日記』 青空文庫
これは妻の寝静まった後ならではと一先素知らぬ顔で床に入った。
— 国木田独歩 『酒中日記』 青空文庫
ただかの美しき乙女よくこれを知るといえども、素知らぬ顔して弁解の文を二郎が友、われに送りぬ。
— 国木田独歩 『おとずれ』 青空文庫
夫人は素知らぬ顔で水量の平衡を保って、如何にも健全そうな噴水を、とみこう見していたが、「なに言ってらっしゃるのです」と床から私のいる窪へ階段を降りて来た。
— 岡本かの子 『噴水物語』 青空文庫
」と蝦蟇口を探りつつ、これでもまだまだ見えをする気か、五銭の白銅|一個渡して見返りもせぬ心の内、今度呼んだら剰銭は要らぬと、腹を見せる目的の処、何がさて如才なく令嬢は素知らぬ顔なり。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
声に驚き、且つ活ける玩具の、手許に近づきたるを見て、糸を手繰りたる小児、衝と開いて素知らぬ顔す。
— 泉鏡花 『紅玉』 青空文庫
そこへ飯を喰い終った一知が、帯を締め締め、草履を穿いて出て来たので、草川巡査は素知らぬ顔をして台所の入口へ引返して来た。
— 夢野久作 『巡査辞職』 青空文庫
作例 · 標準
割れた花瓶を見て、子供は素知らぬ顔をして、母親の顔色をうかがった。
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彼女は、自分がしたことを聞かれても、終始素知らぬ顔を貫き通した。
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会議で自分のミスを指摘された時、彼はあえて素知らぬ顔をして、話題を変えようとした。
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