大鴉
おおがらす
名詞
標準
The Raven (narrative poem by Edgar Allan Poe)
文例 · 用例
ポオの無韻詩「大鴉」の表現効果は、あのねえばあ・もうあとか、れのああとかいふ言葉の、寂しく遠い、墓場の中から吹いて来る風のやうな、うら悲しくも気味の悪い音韻の繰返す反響にある。
— 萩原朔太郎 『詩の翻訳について』 青空文庫
「大鴉」からその音響を除いてしまへば、後に何も残るものはなく、無意味な文字の配列にしか過ぎないだらう。
— 萩原朔太郎 『詩の翻訳について』 青空文庫
正直に白状すると、これはポオの翻案であつて、鶏の朝鳴を、とをてくうる、もうるとうなどの音韻で表象させ、全体にポオの「大鴉」と似たやうな詩想を、似たやうな表現技巧で出さうとした。
— 萩原朔太郎 『詩の翻訳について』 青空文庫
しかし、また一方から考えると、元来多くの鳥は天性の音楽家であり、鴉でも実際かなりに色々の「歌」を唄うことが出来るばかりでなく、ロンドンの動物園にいたある大鴉などは人が寄って来ると“Who are you ?”と六かしい声で咎めるので観客の人気者となったという話である。
— 寺田寅彦 『鴉と唱歌』 青空文庫
「かあ――」と一羽の大鴉が鳴くと、あちからも、こちからも、ぽち、ぽち、とした積藁のかげから、くろぐろとした翼を豊に張った無数の鴉が、次から次へと飛び立ち始めた。
— 岡本かの子 『かやの生立』 青空文庫
鳶のような大鴉がまたしっきりなく屋根から屋根へとわめく。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
彼の双眼は「大鴉」の眼のやうに爛々と輝いたと申します。
— 牧野信一 『『ユリイカ』挿話』 青空文庫
」 私は無論この「大鴉」や「黄金虫」の作者を前にして多大な興味でその言葉に耳を傾けた。
— 牧野信一 『『ユリイカ』挿話』 青空文庫
作例 · 標準
例句
ウィキペディア
『大鴉』 は、アメリカ合衆国の作家エドガー・アラン・ポーが1845年1月29日に発表した物語詩。その音楽性、様式化された言葉、超自然的な雰囲気で名高い。心乱れる主人公(語り手)の元に、人間の言葉を喋る大鴉が謎めいた訪問をし、主人公はひたひたと狂気に陥っていくという筋である。学生であろうと指摘されることの多い主人公は、恋人レノーアを失って嘆き悲しんでいる。大鴉はパラス(アテーナー)の胸像の上に止まり、「Nevermore(二度とない)」という言葉を繰り返し、主人公の悲嘆をさらに募らせる。詩の中の至るところに、ポーは伝承や様々な古典の隠喩を行っている。
出典: 大鴉 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0