密契
みっけい
名詞
標準
文例 · 用例
彼等は父兄監督者の眼を潜って会合協議の上、活動写真式の団体を組織することとし、秘密契約を結び、左の腕を切って血を啜り合い、兄弟の義を固め、兇器等を懐にして活動館の付近に潜伏出没し、誘惑脅迫等の手段を以て良家の子女を窘しめた。
— 夢野久作 『東京人の堕落時代』 青空文庫
首領が立って説明した会議事項は、亜細亜製鉄所に、空前の盟休が起ろうとしていること、なおその盟休は政治的意味が多分に加わっていて、所長の保管する某大国との秘密契約書などを、今夜の深更十二時を期して他へ移す必要のあること、それについて全会員が任務について貰うこと、などであった。
— 海野十三 『人造人間殺害事件』 青空文庫
右のような情勢とすれば、イスパニアと密契して、「朱雀事件」という桁外れな陰謀を企図したことも、ほぼ頷かれるのであるが、しかし、それは頼興ひとりで為し得ることではない。
— 山本周五郎 『風流太平記』 青空文庫
初め、雅楽頭と一ノ関のあいだに、六十二万石を寸断するという密契のあることは、久世大和守から茂庭周防に知らされたものであった。
— 第二部 『樅ノ木は残った』 青空文庫
そのうえで自分は幕府へ訴え出るから、老中評定となったところで、船岡が「酒井侯と一ノ関との密契」を突きつける、ということにしたいと思う。
— 第四部 『樅ノ木は残った』 青空文庫
そのとき「酒井と兵部との密契」をもちだすとして、老中がはたして受理するかどうか。
— 第四部 『樅ノ木は残った』 青空文庫
おれがこの屋敷へ住み込んだのは、雅楽頭忠清とその側近の動静を監視するためで、この屋敷の人たちとはかたき同士という立場にあるし、現にもう、滝尾の手によって密契の証文をぬすみだしている。
— 第四部 『樅ノ木は残った』 青空文庫
「ちと、おひどいではありませんか」「なぜ、何を、いうのか」「元々、将門をかたづけようという計は、お互いの密契でしょう。
— 吉川英治 『平の将門』 青空文庫