洋皿
ようざら
名詞
標準
文例 · 用例
その代りこつちでは、例へば白い西洋皿の上に、鰯の頭が三つ、コロコロと這入るところを、よつくとみて、どうせ対手は嗤つてゐるのだから一寸、ホンの一寸した目礼くらゐで自分の所に帰つてゆけば、却々シツクリした気持だつて味はへるやうなもんぢやないか。
— 中原中也 『私の事』 青空文庫
枕元には琺瑯質の鍋だの西洋皿だのが狼藉としてゐて、その間に墨の桐箱と墨の塗沫された画仙紙の上に水筆が転がつてゐた。
— 岡本かの子 『花は勁し』 青空文庫
「お座敷の出がけだが、ちょっとあんたに云っとくことがあるので寄ったんだがね」 莨入れを出して、煙管で煙草盆代りの西洋皿を引寄せて「この頃、うちのみち子がしょっちゅう来るようだが、なに、それについて、とやかく云うんじゃないがね」 若い者同志のことだから、もしやということも彼女は云った。
— 岡本かの子 『老妓抄』 青空文庫
お京さんは萩の餅をフォークで西洋皿に取り分けながらいった。
— 岡本かの子 『豆腐買い』 青空文庫
と、場長さんが、若い技手に白い陶器のミルク入れと、白い西洋皿と、透きとおった薄手のカップとを運ばせて来た。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
女の人は不馴れな容子でそちこちの押入を開けたりして、有り合せの西洋皿を一枚出してくれた。
— 鈴木三重吉 『桑の実』 青空文庫
狭いところをざわ/\と草を踏んで出て行かれた青木さんは、やがておくみが笊なりにその実を洗つて、押入から白い西洋皿を出して入れてゐるところへ、表から廻つて帰つてお出でになつた。
— 鈴木三重吉 『桑の実』 青空文庫
十三 おくみは牛肉屋が挽肉を持つて来たのを戸棚へしまつて置いて、やがてその桑の実の西洋皿へ匙をつけてお盆へ載せて、二階へ持つて上つた。
— 鈴木三重吉 『桑の実』 青空文庫