小鍋
こなべ
名詞
標準
small saucepan
文例 · 用例
友染の切に、白羽二重の裏をかさねて、紫の紐で口を縷つた、衣絵さんが手縫の服紗袋に包んで、園に贈つた、白く輝く小鍋である。
— 泉鏡太郎 『銀鼎』 青空文庫
その供養のために、毎年六月の一日は、氷室の朔日と云って、少い娘が娘同士、自分で小鍋立ての飯ごとをして、客にも呼ばれ、呼びもしたものだに、あのギラギラした小刀が、縁の下か、天井か、承塵の途中か、在所が知れぬ、とあっては済まぬ。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
箸を箸箱に仕舞ひながら、彼はおおさうぢやと気がついて、部屋の隅からざるで伏せてあつた小鍋を持つて来て箸を突込み、まづさうに食ひ始めた。
— 岡本かの子 『上田秋成の晩年』 青空文庫
祐信の繪本に、炬燵にあたつて居る女の傍に小鍋立のしてある繪があつた。
— 木下杢太郎 『京阪聞見録』 青空文庫
小鍋立というと洒落に見えるが、何、無精たらしい雇婆さんの突掛けの膳で、安ものの中皿に、葱と菎蒻ばかりが、堆く、狩野派末法の山水を見せると、傍に竹の皮の突張った、牛の並肉の朱く溢出た処は、未来派尖鋭の動物を思わせる。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
部屋の隅に眠ていた行者風の男はむく/\と起き出し、粥の小鍋を炉の端に提げて来まして、白湯をさし、「ちょっと火にかけさしてお貰い申すだ」と、自在鈎へ釣り下げて元の隅へ戻ると、今度は笈摺に向って何やら頻りに呪文のようなことを誦しながら珠数をじゃら/\揉み鳴らしています。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
また卵をやると、老人はさっさと台所から小鍋を持って来て、和尚の前で、一人でうでて食った。
— 佐左木俊郎 『再度生老人』 青空文庫
私がそして、その首を作業台の上に置き、胴体の方は、腰から下を台の端から垂らすようにして静かに寝かし、小鍋で膠を溶いていると、そこへ西谷が帰って来た。
— 佐左木俊郎 『三稜鏡』 青空文庫
作例 · 標準
一人分の味噌汁を作るために、小鍋を出した。
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小鍋で牛乳を温めてココアを作った。
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彼はキャンプに小鍋を持っていき、簡単な料理を作った。
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