顔赤
かおあか
名詞
標準
文例 · 用例
と病の床に小親とわれと引きつけては、二人の手を取り戯れて、小親に顔赤うさせし愉快の女は、かくて手品師が人の眼を眩惑せしむる、一種の魔薬となり果てたり。
— 泉鏡花 『照葉狂言』 青空文庫
俳優のうちに久米五郎とて稀なる美男まじれりちょう噂島の娘らが間に高しとききぬ、いかにと若者|姉妹に向かっていえば二人は顔赤らめ、老婦は大声に笑いぬ。
— 国木田独歩 『源おじ』 青空文庫
「我子とは紀州のことなり」源叔父はしばしこぐ手を止めて彦岳の方を見やり、顔赤らめていい放ちぬ。
— 国木田独歩 『源おじ』 青空文庫
二七の春――私はまた……曳船で見た、お冬さんのそのころの年を思った、十五六――いえばおとせは顔赤らめて、何もいわずに恥し姿。
— 泉鏡花 『雪柳』 青空文庫
省作はもう顔赤くして、「うそだうそだ。
— 伊藤左千夫 『隣の嫁』 青空文庫
性、剛腹|頑陋、面長く顔赤き故を以て、世人これを赤入道と呼んだ。
— 菊池寛 『応仁の乱』 青空文庫
また筍の皮を男のおよびごとに入れてめかかうして児をおどせば顔赤めてゆゆしうおぢたるかた云々などあり。
— 正岡子規 『墨汁一滴』 青空文庫
彼は仲間連中から、どうも手前はこのごろいやに金使いが荒いが、なにか悪いことをやっているんじゃないかと揶揄われ、彼の男は顔赤らめて云うには、実はここだけの話だが、この頃おれは鳥渡うまい儲け仕事にいっているんだ。
— 海野十三 『東京要塞』 青空文庫