纎細
纎細
名詞
標準
文例 · 用例
然しただ一人久保田さんが纎細緻|密な作品を書く人でありながら球突ではひどく不器用なのを除けばそれぞれに球突の中にも作品の感じが現れてくるから面白い。
— 南部修太郎 『文壇球突物語』 青空文庫
そして、一|面には纎細妙巧の赴きを見る。
— 南部修太郎 『文壇球突物語』 青空文庫
3 現代作家の文章を考へてみても、ごく大まかな詞ではあるが、志賀直哉は驚くほど神經質に鋭く簡潔、菊池寛は無駄なく直截適確、谷崎潤一郎は莊重で力強く、佐藤春夫は典雅纎細、里見※は流麗精緻、――一一擧げたらきりがないが、さういふ特色は言ひ換へれば、作者の氣質持前の現れに外ならない。
— 南部修太郎 『氣質と文章』 青空文庫
前者は纎細簡潔、冗漫や無駄を嫌つて一字一字を惜みながらコツコツと筆を運んだが、後者は深刻重厚、筆力のあふれるままにグングン筆を走らせた。
— 南部修太郎 『氣質と文章』 青空文庫
其特色は、第一に、過巧、纎細な對照、第二に、繁縟な比喩、第三に、綺麗、浮靡な形容、第四に、夥しい頭韵。
— 新修「ロミオとヂュリエット」の序 『ロミオとヂュリエット』 青空文庫
――いと小さき生命なれど、靈的な纎細さを持てり――限りなく群れなすといへど、はかなきなり。
— NOCTILUCAE 『夜光蟲』 青空文庫
ウェルゲランの作は粗笨蕪雜で、只熱情があるのが取り柄で、ウェルハーヴェンの詩は優麗典雅で、用語は巧みを極めてゐますが、その缺點は纎細で、迫力がないことであります。
— 宮原晃一郎 『スカンヂナヴィア文學概觀』 青空文庫
それは總て部分からいへば皮膚の纎細でもあり目の圓滑でも肉置きのゆたかな點も、部分的に指摘することはできるであらうが、それを狩りあつめた、何ともいへない、ぼんやりとした美は、それ全體の上にある筈だ。
— 室生犀星 『星より來れる者』 青空文庫