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汲み上げ

くみあげ
名詞
1
標準
文例 · 用例
この辺の人が、セント・ジョルジ・ギルドの人たちのように、糸車を挽いて、木綿を手織って衣ているかどうかを知らないが、風呂の水も、雑用の水も、熔岩の下から湧く渓河から汲み上げて、富士の高根の雪解の水と雨水との恩恵の下に、等分に生きていることを思うと、富士の裾野の水々しさに、一倍の意義があると思われる。
小島烏水 不尽の高根 青空文庫
この圧迫するような感じを救うためには猿股一つになって井戸水を汲み上げて庭樹などにいっぱいに打水をするといい。
寺田寅彦 夕凪と夕風 青空文庫
女中も居るが、母様の躾が可いから、もう十一二の時分から膚についたものだけは、人手には掛けさせないので、ここへは馴染で、水心があって、つい去年あたりまで、土用中は、遠慮なしにからからと汲み上げて、釣瓶へ唇を押附けるので、井筒の紅梅は葉になっても、時々|花片が浮ぶのであった。
泉鏡花 婦系図 青空文庫
忙しく諸味を汲み上げるあいまあいまに、山で樹液のしたたる団栗を伐っていることが思い出された。
黒島傳治 まかないの棒 青空文庫
今朝も近所の人達が汲み上げて行つたあとなのであらう、目立つて水底が淺くなつた感じの水面が、朝の光の滿ち溢れてゐる空を映して、白く光つてゐる。
島木健作 生活の探求 青空文庫
水はいくらも經たぬうちにすつかり汲み上げられてしまつた。
島木健作 生活の探求 青空文庫
顏を洗つてから、可成音のせぬ樣に水を汲み上げて、盥の水を以前の如く清く盈々として置いて、さて彼の一片の小扇をとつて以前の如くそれに浮べた。
石川啄木 葬列 青空文庫
顔を洗つてから、可成音のせぬ様に水を汲み上げて、盥の水を以前の如く清く盈々として置いて、さて彼の一片の小扇をとつて以前の如くそれに浮べた。
石川啄木 葬列 青空文庫