応思
おうおもう
名詞
標準
文例 · 用例
思想的な規準は失われたと一応思い込まれ、自身にそう云いきかせることによって、今日の人間の知性や良心に加えられている重圧に対する溌剌とした対抗力の眠りをさますのをおそれている形である。
— 宮本百合子 『文学上の復古的提唱に対して』 青空文庫
併しその時になつて、去留いづれが好からうかと、今一応思案した。
— VATER SERGIUS 『パアテル・セルギウス』 青空文庫
茂太郎式に反芻して再応思案してみると、「万人堂の杉のスッポンコラは槍のように尖っている、さぞお天道様も怖いだろう」という意味に受取れる。
— 農奴の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
コマメで、キテンがきいて、一応思慮があって、礼儀正しくて、いかにも日本風のヨタモノであったからサビエルを感心させることができたのだろうが、現代日本にはなんとヤジローが多いではありませんか。
— 坂口安吾 『明日は天気になれ』 青空文庫
―――と、一応思ひついてみたが、それも腑に落ちないと云ふのは、もと/\自分も猫が好きだつた筈なのである。
— 谷崎潤一郎 『猫と庄造と二人のをんな』 青空文庫
―――と、一応思いついてみたが、それも腑に落ちないと云うのは、もともと自分も猫が好きだった筈なのである。
— 谷崎潤一郎 『猫と庄造と二人のおんな』 青空文庫
そこで池袋の同志は一応思い思いの所に分散した。
— 浅沼稲次郎 『私の履歴書』 青空文庫
他愛のないものだ、とも一応思ってみるだけである。
— 外村繁 『落日の光景』 青空文庫