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村外れ

むらはずれ
名詞
1
標準
文例 · 用例
車は村に入り、突き抜けて村外れの細い流れに板橋の架っている前で停りました。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
都を西南の方へさすらい出て、こゝの村外れにひと月、かしこの橋下にふた月と、わたくしは旧東京の市区と、大東京とは名のみの郡部とのすれ/\の境界線に沿うて、彼方に多那川の流れを心頼みにしながら南へ移って来たのでした。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
村外れの茶店で昼飯を食った時に店先で一人の汚い乞食婆さんが、うどんの上に唐辛子の粉を真赤になるほど振りかけたのを、立ちながらうまそうに食っていた姿が非常に鮮明に記録されている。
寺田寅彦 二つの正月 青空文庫
毎日さうして歩いて居た女が知りたがり聞きたがる女房等の間に、各自に口喧しい陰占を逞しくされると間もなく、或日村外れの青葉の中へ太皷の音と唄の聲とが遠く微かに沒し去つた切り、軈て梅雨が夥しく且つ毒々しい其の栗の花の腐るまではと降り出したので其の女の穢げな窶れた姿は再び見られなかつた。
長塚節 青空文庫
彼は村外れの櫟林の側に居たので自分の家の近くにはさういふ物を作る畑が一|枚もなかつた。
長塚節 青空文庫
その夢がまた非常に妙な事であるといふのは、處は街道の村外れといふやうな處で一軒の茶店がある。
長塚節 竹の里人〔三〕 青空文庫
幸ひっそりとした一構えに、人の気はいもない様子を見届けて、麺麭と葡萄酒を盗み出して、口腹の慾を充分|充たした上、村外れへ出ると、眠くなって、うとうとしている所へ、村の女が通りかかる。
夏目漱石 文芸の哲学的基礎 青空文庫
しかしこの問屋場に係り合のない人足で、彼の伊賀越の平作のように、村外れや宿はずれにうろ付いて客待をしている者の中には、所謂雲助根性を発揮して良くないことをする奴もありました。
岡本綺堂 三浦老人昔話 青空文庫