恩重
おんちょう
名詞
標準
文例 · 用例
聖人はその「四恩鈔」に父母の恩を説いて、「今生の父母は我を生みて法華経を信ずる身となせり、梵天帝釈四大天王、転輪聖王の家に生れて、三界四天を譲られて、人天四衆に恭敬せられんよりも、恩重きは今の某の父母なるか」とまで云って、しきりに父母の恩を説いておられるのである。
— 日蓮聖人はエタの子なりという事 『旃陀羅考』 青空文庫
初めは、鼻からちょうちんを出すように、ふざけた節をつけて、謡に唄って誦んでいた父母恩重経のことばも、それがいろはのように平易なので、誦むにつれ、聴くに従い、だんだん分って来たものとみえる。
— 空の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
自分で写経した「父母恩重経」の一部にそれを挟んで、ふかく秘めておく。
— 空の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
「おっ母あ、……おっ母あ……ふ、ふ、不孝を」 きのう、彼の血の中に浸みこんだばかりの「父母恩重経」が、破れた傷口から噴きこぼれたのである。
— 空の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
小次郎は、笑って、「お息子の又八とは違う」 ばばは、ちょっと、淋しげな眼をしばたたいていたが、「そうじゃ、何の土産もないが、これはわしが写経したもの、一部進ぜましょう程に、閑な時、誦んでくだされ」 と父母恩重経の一部をさし出した。
— 二天の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
千部写経の悲願をたてた、例の父母恩重経の行を積んでいるのであった。
— 二天の巻 『宮本武蔵』 青空文庫