身外
しんがい
名詞
標準
文例 · 用例
而して身外の水も亦、味を解きて人に伝ふるの大作用をなす。
— 幸田露伴 『水』 青空文庫
下宿屋の状態から、諸商人のようす表通りの商店の風などにも、目がとまり、自分の周囲がすべて明るくなって、ようやく身外の事物に目をそそぐ余裕ができてきた。
— 伊藤左千夫 『廃める』 青空文庫
私達はそれによって身外を見得るけれども、私達自身の顔を見ることは出来ない。
— 有島武郎 『惜みなく愛は奪う』 青空文庫
アミイバが触指を出して身外の食餌を抱えこみ、やがてそれを自己の蛋白素中に同化し終るように、私の個性は絶えず外界を愛で同化することによってのみ生長し完成してゆく。
— 有島武郎 『惜みなく愛は奪う』 青空文庫
智的生活に依拠して個性を表現しようとする人は、表現の材料を多く身外に求める。
— 有島武郎 『惜みなく愛は奪う』 青空文庫
第5図 エジプトの大蜥蜴ヴァラヌス・ニロチクス 仏在世、一種姓竜肉を食い、諸比丘またこれを食うあり、竜女仏の牀前に到りて泣く、因って仏竜の血骨筋髄一切食うを禁じ、身外皮膚病あらば竜の骨灰を塗るを聴すとあるも、この蜥蜴であろう。
— 田原藤太竜宮入りの話 『十二支考』 青空文庫
一瞥心機を転じて身外の万物を忘れ、其旧を棄てゝ新|惟れ謀るは人間大自在の法にして、我輩が飽くまでも再縁論を主張する由縁なり。
— 福沢諭吉 『新女大学』 青空文庫
野蛮の無為、徳川の泰平の如きは、当時その人民の心身、安はすなわち安なりといえども、その安は身外の事物、我に向って愉快を呈するに非ず。
— 福沢諭吉 『教育の目的』 青空文庫