阿父
あふ
名詞頻度ランク #41619 · 青空 491 例
標準
father
文例 · 用例
伯爵は三番目の娘の露子に向って、「露子、和女は何うじゃ」 露子は此時初めて口を開き、「ハイ、妾何んだか恐い様に思いますけど、阿父様の仰しゃる事なら参りましょう」 斯くて相談は定まり、三人の娘は一人ずつ流星の落ちた森林を探検する事となった。
— 流星奇談 『黄金の腕環』 青空文庫
「オヤ不思議だこと、先刻の流星が此様な物を落して行ったのではありますまいか、不思議と云えば此箱こそ実に不思議なもの、持って帰って阿父様に御覧に入れましょう」と、露子は其箱を持上げて見ると非常に重かったけれど、夫れを両手に抱えて家に帰って来た。
— 流星奇談 『黄金の腕環』 青空文庫
二人の娘は呆気にとられ、「阿父様、なんですなんです」と、その跡を追いかけたが、博士は振り向きもせず、別荘の自分の書室に飛び込むやいなや、扉に鍵をピンとおろし、件の不思議なる書面を卓上に押しひろげ、いよいよ深く眉の間に皺を寄せて、ふたたび熱心に読み始めた。
— 押川春浪 『南極の怪事』 青空文庫
二人の娘は室の外まで押し寄せきたり、鍵のおろされたる扉をコトコトと叩いて、「阿父様、何か珍しい事なら聴かせて頂戴な、あら鍵なんかおろしてひどいこと――」と呟けど、博士は知らぬ顔、「お前達の聴いても役に立たぬ事だよ」と、一声云ったばかりである。
— 押川春浪 『南極の怪事』 青空文庫
――聞きねえ、親なり、叔父なり、師匠なり、恩人なりという、……私が稼業じゃ江戸で一番、日本中の家元の大黒柱と云う、少兀の苦い面した阿父がある。
— 泉鏡花 『歌行燈』 青空文庫
可いかね、その気だもの……旅籠屋の女中が出てお給仕をする前では、阿父さんが大の禁句さ。
— 泉鏡花 『歌行燈』 青空文庫
この人々の阿父さんや祖父さんは、六十年|前にここを過ぎて、工事中のお台場を望んで、「まあ、これが出来れば大丈夫だ」と、心強く感じたに相違ない。
— 岡本綺堂 『一日一筆』 青空文庫
昨日も丁度ここで逢ったから、腕を掴んで引摺上げて与ろうと思ったんだけれど、生憎阿父さんが一所だったから、まあ堪忍して置いて与ったのさ。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
作例 · 標準
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