竿入れ
さおいれ
名詞
標準
文例 · 用例
そのくらいだから寛厳の手心が甚しく、彦根、尾張、仙台等の雄藩の領地は避けて竿を入れず、小藩の領地になるというと見くびって、烈しい竿入れをしたものだから領民が恨むこと、恨むこと。
— 新月の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
そこで、これはたまらぬと庄屋連が寄合って、竿入れ中止の運動を試みようとしたが、そこはわいろ役人に抜け目がなく、あらかじめ一切の訴願まかりならぬという請書を取ってある。
— 新月の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
そのくらいだから寛厳の手心が甚しく、彦根、尾張、仙台等の雄藩の領地は避けて竿を入れず、小藩の領地になるというと、見くびって烈しい竿入れをしたものだから、領民が恨むこと、恨むこと。
— 農奴の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
そこで、これはたまらぬと、庄屋たちが寄り集まって、竿入れ中止の運動を試みようとしたが、そこはわいろ役人に抜け目がなく、あらかじめ一切の訴願|罷りならぬという覚書を取ってある。
— 農奴の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
さっそく竿入れをして、播種にかかったが、名子の若いやつや、舟子の陸使いどもが、せっかく無人の島へ来ながら、上から追い使われるのは面白くない。
— 久生十蘭 『ボニン島物語』 青空文庫
段六 へい、それも、いよいよ差し越し願えばしたからと申すのではありましねえで、たんだこの飢饉でどうにもこうにもハア上納ば増されたんでは百姓一統死なにゃなんねで、せんめて、新田の竿入れだけでも今年は用捨して貰いてえと願い出て見ようでねえかと、村で寄り寄り相談ば打ったでがす。
— 三好十郎 『天狗外伝 斬られの仙太』 青空文庫
今時このせち辛えのに上納減らしの不腹や相談|打たねえお百姓なんど一人もいるもんじゃねえさ、その上に新田に竿入れやらかそうてんだものを。
— 三好十郎 『天狗外伝 斬られの仙太』 青空文庫
そこえ持って来て村方一同が命の綱と頼みまする荒地沼地開墾の新田に竿入れ仰せ付けられる段おふれでごぜましたで、そうなればこのあたり百姓何千何万と申す者が、かつえて死なねばならぬ始末、それで私共兄きなんどこの由御願い出て見ようでねえかと寄り寄り相談していたばっかりでごぜます。
— 三好十郎 『天狗外伝 斬られの仙太』 青空文庫