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驀然

ばくぜん
形容動詞
1
標準
文例 · 用例
汽車は驀然と闇を切り裂いて飛んだ。
葉山嘉樹 乳色の靄 青空文庫
水面なるひと騒擾、さあれ、このとき、驀然に急ぎくる一列の郵便馬車よ、薄闇ににほひゆく赤き曇の快さ、人はただ街をばながむ。
北原白秋 邪宗門 青空文庫
驚破、炎上の火の光、見れどもわかぬ日ざかりにみるみる長く十字|劃きゐすくむ帯の※色、あなと、昏めば、後より、戞戞戞と※ふませ、隙こそあれや、たとばかり、鞭ひらめかし、驀然、黒き甲と朱の色の蒸汽|喞筒の馬ぐるま、跳りぞ過ぐれ、湯は釜に飛沫くわつくわと沸りたる紅火夜なり。
北原白秋 第二邪宗門 青空文庫
驀然見は詩の小雅より取つた語である。
森鴎外 伊沢蘭軒 青空文庫
驀然として敵の一人を生捕った。
夏目漱石 吾輩は猫である 青空文庫
心晦みて覚えず倒れんとする耳元に、松風驀然と吹起りて、吾に復れば、眼前の御壕端。
尾崎紅葉 金色夜叉 青空文庫
その次には帽子屋、その次には靴屋、その次には剣屋と、それぞれ尋ねてまわって、品物を受け取って、代金には皆宝石を一粒|宛、髪毛の中から摘み出して与えましたが、それから都の大通りを驀然に南に走りますと、暫くして向うから美留藻の脱け殻のお婆さんの着物を着て、喘ぎ喘ぎ走って来る紅矢に出会いました。
夢野久作 白髪小僧 青空文庫
馬は驚いて棹立ちになって、驀然に表門を駈け出しますと、丁度そこへ王宮から、紅木大臣を追っかけて来た兵隊が往来一パイになって押し寄せて、一度に鬨と鯨波を挙げました。
夢野久作 白髪小僧 青空文庫