椽大
てんだい
名詞
標準
文例 · 用例
矧や逍遙子は古人にあらざるを以て、その一旦擲ちたる椽大の筆を、再びとり上ぐることを得べきをや。
— 森鴎外 『柵草紙の山房論文』 青空文庫
ゾラは、これを、 椽大の筆をふるつて次の如く要約してゐる。
— 平林初之輔 『エミイル・ゾラの文学方法論』 青空文庫
一体馬琴は史筆|椽大を以て称されているが、やはり大まかな荒っぽい軍記物よりは情緒細やかな人情物に長じておる。
— 内田魯庵 『八犬伝談余』 青空文庫
我れ三文字屋金平夙に救世の大本願を起し、終に一切の善男善女をして悉く文学者たらしめんと欲し、百で買ツた馬の如くのたり/\として工風を凝し、虱を捫る事一万疋に及びし時|酒屋の厮童が「キンライ」節を聞いて豁然大悟し、茲に椽大の椎実筆を揮て洽く衆生の為に為文学者経を説解せんとす。
— 三文字屋金平 『為文学者経』 青空文庫
作者の椽大な筆でもこれ以上の表現は先づ出来まいと思はれる極限まで書いてゐる。
— 平野萬里 『晶子鑑賞』 青空文庫
この公道を代表する「順天時報」の主筆|牟多口氏は半三郎の失踪した翌日、その椽大の筆を揮って下の社説を公にした。
— 芥川龍之介 『馬の脚』 青空文庫
けれども大久保湖州の名は未だ彼等の椽大の筆に一度たりと雖も上つたことはない。
— 芥川龍之介 『大久保湖州』 青空文庫