河船
かせん
名詞
標準
文例 · 用例
」 ナイルの河船でレーリーから数学を教わったエリーノア嬢は、その後シジウィック夫人となってからはケンブリッジに居を構えていた。
— 寺田寅彦 『レーリー卿(Lord Rayleigh)』 青空文庫
すっかり追い詰められて手も足も出なくなっている二人は、昨夜|窮余の一策で大胆にも繋留ちゅうの河船を襲い、拳銃で番人を脅迫して食糧を奪い去ったというのである。
— 牧逸馬 『チャアリイは何処にいる』 青空文庫
徳次は河船頭であつた。
— 田畑修一郎 『医師高間房一氏』 青空文庫
もともと彼は先きの目あてがあつて河船頭になつたのではない。
— 田畑修一郎 『医師高間房一氏』 青空文庫
この大円周上には三十二の哨所を置き、円周上のあらゆる街角、路地、橋詰には洩れなく新撰組と武装警官を配置し、いかなるものをもこの非常地区には立入ることを禁止したのみならず、外濠川の常盤橋、土橋間の河船遡航を禁じ、いわば水も洩らさぬ警戒陣をしいた。
— 久生十蘭 『魔都』 青空文庫
これは紐育の高架鉄道、巴里の乗合馬車の屋根裏、セエヌの河船なぞで、何時とはなしに妙な習慣になってしまった。
— 永井荷風 『深川の唄』 青空文庫
あのショコラムニエーと書いた卑俗な広告は、セーヌ河を往復する河船の舷や町の辻々の広告塔に芝居や寄席の番組と共に張付けられてあった。
— 永井荷風 『砂糖』 青空文庫
八トンほどの河船で、船名をトライアルとつけられた最初の鉄造船(一七八七年)が英国でできてから、二番目の鉄造船ができるまでに二十年も間があった。
— 服部之総 『黒船前後』 青空文庫