王命
おうめい
名詞
標準
文例 · 用例
帝が日々恋しく思召す御様子に源氏は同情しながらも、稀にしかないお実家住まいの機会をとらえないではまたいつ恋しいお顔が見られるかと夢中になって、それ以来どの恋人の所へも行かず宮中の宿直所ででも、二条の院ででも、昼間は終日物思いに暮らして、王命婦に手引きを迫ることのほかは何もしなかった。
— 若紫 『源氏物語』 青空文庫
王命婦がどんな方法をとったのか与えられた無理なわずかな逢瀬の中にいる時も、幸福が現実の幸福とは思えないで夢としか思われないのが、源氏はみずから残念であった。
— 若紫 『源氏物語』 青空文庫
源氏の上着などは王命婦がかき集めて寝室の外へ持ってきた。
— 若紫 『源氏物語』 青空文庫
手紙を出しても、例のとおり御覧にならぬという王命婦の返事以外には得られないのが非常に恨めしくて、源氏は御所へも出ず二、三日引きこもっていた。
— 若紫 『源氏物語』 青空文庫
宮の御入浴のお世話などもきまってしていた宮の乳母の娘である弁とか、王命婦とかだけは不思議に思うことはあっても、この二人の間でさえ話し合うべき問題ではなかった。
— 若紫 『源氏物語』 青空文庫
藤壺の宮の自邸である三条の宮へ、様子を知りたさに源氏が行くと王命婦、中納言の君、中務などという女房が出て応接した。
— 紅葉賀 『源氏物語』 青空文庫
王命婦も策動のしようがなかった。
— 紅葉賀 『源氏物語』 青空文庫
源氏は稀に都合よく王命婦が呼び出された時には、いろいろと言葉を尽くして宮にお逢いさせてくれと頼むのであるが、今はもう何のかいもなかった。
— 紅葉賀 『源氏物語』 青空文庫