女面
おんなめん
名詞
標準
文例 · 用例
曙色の薔薇の花、「時」の色「無」の色を浮べて、獅身女面獸の微笑を思はせる暗色の薔薇の花、虚無に向つて開いた笑顏、その嘘つきの所が今に好きになりさうだ、僞善の花よ、無言の花よ。
— 上田敏 『牧羊神』 青空文庫
」と陶器師は顔を曇らせ、「俺は余儀ない必要からだ」「余儀ない必要からでございますとも」女面作師は初めて笑い、「お気の毒でございますな」「憐れんで貰う必要はない!
— 国枝史郎 『神州纐纈城』 青空文庫
今朝貴女面積のこと先生に訊いたでしょう。
— 宮本百合子 『面積の厚み』 青空文庫
翁の外に、松風丸(又は松風・松かげ)と言ふ女面があり、三番があるのが普通の様です。
— 折口信夫 『翁の発生』 青空文庫
更に面で注意すべきは、巫女面・上※面などは、殆、目の穴がないほど小さい事です。
— ――花祭り解説―― 『山の霜月舞』 青空文庫
「………洛陽の児女面は花に似たり、河南の大尹頭は雪の如し。
— 谷崎潤一郎 『少将滋幹の母』 青空文庫
運わるく、その床の間にうやうやしく置いてあったのは万太郎の兄にあたる当主|義通が、西之丸に隠居した前将軍|家宣から貰いうけた拝領面――出目洞白一|刀彫の鬼作と称せられている鬼女面を秘めた一箇の箱。
— 吉川英治 『江戸三国志』 青空文庫
それも単に秘蔵の品というならばとにかく、文照院様から拝領の鬼女面、年ごとの西之丸の御能には、ぜひとも柳営に持って伺候せなければならぬ」 義通は唇をわなわなさせ、あくまで、詰責してやみません。
— 吉川英治 『江戸三国志』 青空文庫