野薔薇
のいばら異読 ノイバラ
名詞
標準
multiflora rose (Rosa multiflora)
文例 · 用例
しかしながら、病気以前のラプンツェルの、うぶ毛の多い、野薔薇のような可憐な顔ではなく、(女性の顔を、とやかく批評するのは失礼な事であるが)いま生き返って、幽かに笑っている顔は、之は草花にたとえるならば、(万物の霊長たる人間の面貌を、植物にたとえるのは無謀の事であるが)まず桔梗であろうか。
— 太宰治 『ろまん燈籠』 青空文庫
かの女はをとめの身で大胆にもかの女の家の夕暮時の深窓を逃れ来て、此処の川辺の夕暮にまぎれ、河原の玲澄な野薔薇の床に横たはる。
— 岡本かの子 『川』 青空文庫
高野さちよを野薔薇としたら、八重田数枝は、あざみである。
— 太宰治 『火の鳥』 青空文庫
「クラテエグス」、野薔薇などの枝生ひ茂りて、重圈をなせる榻列の石級を覆へり。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
五月の一夜吾が凭る小野の野づかさ、麓つづきの茅原に、夕ぐれ五月の闇をふかみ、眞夏の女神|筒姫、獨りずまひのなぐさや、夜殿の香爐のかをり高に、野薔薇空にくゆりて、まよはし深きも所がらや。
— 薄田泣菫 『泣菫詩抄』 青空文庫
」「野薔薇が咲いてる。
— 鈴木三重吉 『桑の実』 青空文庫
朝露の野薔薇のいへる、「艶なりや、われらの姿、刺に生ふる色香とも知れ。
— 上田敏 『海潮音』 青空文庫
忍冬、柊、木犀、そんなひつそりとした樹木が白い径に並んでゐて、その径を歩いてゐるとき、野薔薇の花蔭から幻の少女はこちらを覗いてゐた。
— 原民喜 『画集』 青空文庫
作例 · 標準
初夏の頃、河川敷には白い小さな花をたくさんつけた野薔薇が咲き乱れる。
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風に乗って漂ってくる野薔薇の甘い香りに、思わず足を止めてしまった。
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彼女は野薔薇の絵を描くのが得意で、その繊細な描写は見る人を魅了する。
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