発的
はつてき
名詞
標準
文例 · 用例
メーヌ・ドゥ・ビランは、生来の盲人に色彩の何たるかを説明すべき方法がないと同様に、生来の不随者として自発的動作をしたことのない者に努力の何たるかを言語をもって悟らしむる方法はないといっている{1}。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
彼女はすっかりヒステリックになり、烈しい突発的の行動に駆り立てられる、激情の強い発作を感じて来た。
— 萩原朔太郎 『ウォーソン夫人の黒猫』 青空文庫
この突発的なる異常の行為は、さすがに客人たちの注意を惹いた。
— 萩原朔太郎 『ウォーソン夫人の黒猫』 青空文庫
なんとなれば主観者は、それ自ら感情であり、烈しい爆発的の行為に出ようとするところの、デオニソス的激情性のものであるのに、客観者は智慧であって、表現の観照に向うところの、静かな明徹したアポロ的理性であるから。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
非常に根は虔しやかであるくせに、ヒヨツトした場合に突発的なイタヅラの出来る女だつた。
— 中原中也 『我が生活』 青空文庫
」という事務員の声が聞えて、「かねて問題になって居りました助手さんのお化粧に就いて、ただいま助手さんたちから自発的に今日限りこれを改める由を申し出てまいりました。
— 太宰治 『パンドラの匣』 青空文庫
私もさっそく四人の大学生の間に割込んで、先生の御高説を拝聴したのであるが、このたびの論説はなかなか歯切れがよろしく、山椒魚の講義などに較べて、段違いの出来栄えのようであったから、私は先生から催促されるまでも無く、自発的に懐中から手帖を出して速記をはじめた。
— 太宰治 『花吹雪』 青空文庫
すると霧島つつじが二、三日の間に爆発的に咲き揃う。
— 寺田寅彦 『五月の唯物観』 青空文庫