常磐木
ときわぎ
名詞
標準
evergreen tree
文例 · 用例
邸宅の後ろは常磐木の密林へ塀一つで、庭の続きになっていた。
— 葉山嘉樹 『乳色の靄』 青空文庫
ともするとまた常磐木が落葉する、何の樹とも知れずばらばらと鳴り、かさかさと音がしてぱっと檜笠にかかることもある、あるいは行過ぎた背後へこぼれるのもある、それ等は枝から枝に溜っていて何十年ぶりではじめて地の上まで落ちるのか分らぬ。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
一たびこのところ決潰せむか、城の端の町は水底の都となるべしと、人々の恐れまどいて、怠らず土を装り石を伏せて堅き堤防を築きしが、あたかも今の関屋少将の夫人姉上十七の時なれば、年つもりて、嫩なりし常磐木もハヤ丈のびつ。
— 泉鏡花 『龍潭譚』 青空文庫
霜枯れ時だのに、美しい常磐木の緑と、青玉のような水の色とが古びた家の黄や赤や茶によくうつります。
— 寺田寅彦 『先生への通信』 青空文庫
……濃き薄き、もみぢの中を、霧の隙を、次第に月の光が添つて、雲に吸はるゝが如く、眞蒼な空の下に常磐木の碧きがあれば、其處に、すつと浮立つて、音もなく玉散す。
— 泉鏡太郎 『魔法罎』 青空文庫
石を、青と赤い踵で踏んで抜けた二頭の鬼が、後から、前を引いて、ずしずしずしと小戻りして、人立の薄さに、植込の常磐木の影もあらわな、夫人の前へ寄って来た。
— 泉鏡花 『怨霊借用』 青空文庫
一たびこのところ決潰せむか、城の端の町は水底の都となるべしと、人々の恐れまどひて、怠らず土を装り石を伏せて堅き堤防を築きしが、あたかも今の関屋少将の夫人姉上十七の時なれば、年つもりて、嫩なりし常磐木もハヤ丈のびつ。
— 泉鏡花 『竜潭譚』 青空文庫
百日紅あり、花桐あり、また常磐木あり。
— 泉鏡花 『照葉狂言』 青空文庫
作例 · 標準
神社の境内には、樹齢数百年の立派な常磐木がそびえ立っている。
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冬枯れの景色の中で、常磐木の緑だけが目を引く。
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常磐木は、古くから長寿や繁栄の象徴とされてきた。
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