岡辺
おかべ
名詞
標準
vicinity of a hill
文例 · 用例
静岡辺は暖かいからというので私は薄着の綿入れで写生帳とコートは手に持っていた。
— 岡本かの子 『東海道五十三次』 青空文庫
珍しや花のねぐらに木づたひて谷の古巣をとへる鶯 やっと聞き得た鶯の声というように悲しんで書いた横にはまた「梅の花咲ける岡辺に家しあれば乏しくもあらず鶯の声」と書いて、みずから慰めても書かれてある。
— 初音 『源氏物語』 青空文庫
どちはみづちの系統の語であり、ちごも、河童或は河童の好物しりこだまを意味する、福岡辺の方言である。
— 折口信夫 『河童の話』 青空文庫
後に発達した第三句切が既にここに実行せられているのを見ても分かるし、「朝日照る佐太の岡辺に群れゐつつ吾が哭く涙止む時もなし」(巻二・一七七)、「御立せし島を見るとき行潦ながるる涙止めぞかねつる」(巻二・一七八)ぐらいに行くのが寧ろ歌調としての本格であるのに、此歌は其処までも行っていない。
— 斎藤茂吉 『万葉秀歌』 青空文庫
岡辺という語は、「竜田路の岳辺の道に」(巻六・九七一)、「岡辺なる藤浪見には」(巻十・一九九一)等の例にある。
— 斎藤茂吉 『万葉秀歌』 青空文庫
第三十二 鯛飯 は名古屋あるいは静岡辺の名物になっていますが国々で少しずつ製法が違います。
— 秋の巻 『食道楽』 青空文庫
「いよいよアメリカの飛行機は静岡辺まで、やって来たらしいんだ。
— 海野十三 『空襲葬送曲』 青空文庫
小春の岡辺 風のすくない、雲の無い、温暖な日に屋外へ出て見ると、日光は眼眩しいほどギラギラ輝いて、静かに眺めることも出来ない位だが、それで居ながら日蔭へ寄れば矢張寒い――蔭は寒く、光はなつかしい――この暖かさと寒さとの混じ合ったのが、楽しい小春日和だ。
— 島崎藤村 『千曲川のスケッチ』 青空文庫
作例 · 標準
例句