後ろ前
うしろまえ
名詞
標準
backwards
文例 · 用例
寒中には着物を後ろ前に着て背筋に狭い窓をあけ、そうして火燵にかじりついてすえてもらった。
— 寺田寅彦 『自由画稿』 青空文庫
ところが途中からそこまで、大八の車の後ろ前になって、一人の童子がついて参りましたが、大八が坂の中途で絶体絶命になったそのありさまを見て、その童子が嘲笑っていうことには、おまえはなんて弱ん坊だろうとのことでした。
— 佐々木喜善 『東奥異聞』 青空文庫
彼女が学校から帰ってきて、脱ぎすてたまま室の隅に片寄せておいた袴を、後ろ前も前と一緒に持ち添えて、それを帯の所にあてがいながら、しきりに首をひねって考えていた。
— 豊島与志雄 『変な男』 青空文庫
お早いところで十三、四年頃、初代談志の郭巨のかま掘り、羽織を後ろ前に着て手ぬぐいを頭へくるくる、即席唐人のこしらえで高座をのそのそ、なにかいってはテケレッツのパアをつける、座蒲団を二つ折り、子供のつもりで丁寧に抱え、これが郭巨の細君で泣きながらテケレッツのパア、大抵は腹をかかえた。
— 山本笑月 『明治世相百話』 青空文庫
エプロンドレスを うしろまえにして ぴょんぴょん スキップしながら いきました。
— THE TALE OF TOM KITTEN 『ねこぬこタムのはなし』 青空文庫
たくましく巻き上った尻尾もいつか股の間へ挾まっていたが、杢助の眼球がうしろまえになったとたん、きゃんきゃんと悲鳴をあげて、まっしぐらに西南へ向って逃げだした。
— 山本周五郎 『似而非物語』 青空文庫
そういう奴はろばの背にうしろまえに乗っけてやり、その尻尾を手綱にして行かせなければならない。
— ESSAIS DE MONTAIGNE 『モンテーニュ随想録』 青空文庫
作例 · 標準
例句