沖合い
おきあい
名詞
標準
文例 · 用例
また、その日の黄昏時、おなじ島の南にあたる尾野間という村の沖に、たくさんの帆をつけた船が、小舟を一隻引きながら、東さしてはしって行くのを、村の人たちが発見し、海岸へ集って罵りさわいだが、漸く沖合いのうすぐらくなるにつれ、帆影は闇の中へ消えた。
— 太宰治 『地球図』 青空文庫
その船はつい二三年|前、オポルトウの北方数|哩のポルトガルの沖合いで沈んでしまった。
— コナンドイル 『入院患者』 青空文庫
九 底光りのする雲母色の雨雲が縫い目なしにどんよりと重く空いっぱいにはだかって、本牧の沖合いまで東京湾の海は物すごいような草色に、小さく波の立ち騒ぐ九月二十五日の午後であった。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
そのうちに慶北丸はソロリソロリと沖合いに出る。
— 夢野久作 『爆弾太平記』 青空文庫
道具袋を海にタタッ込んで、抜手を切って沖合いの小舟に泳ぎ付いた。
— 夢野久作 『爆弾太平記』 青空文庫
東海道|浦賀の宿、久里が浜の沖合いに、黒船のおびただしく現われたといううわさが伝わって来たのも、村ではこの雨乞いの最中である。
— 第一部上 『夜明け前』 青空文庫
黒船とか、唐人船とかがおびただしくあの沖合いにあらわれたということ以外に、くわしいことはだれにもわからない。
— 第一部上 『夜明け前』 青空文庫
多くの人は、先に相州浦賀の沖合いへあらわれたと同じ唐人船だとした。
— 第一部上 『夜明け前』 青空文庫