黙
もく
名詞
標準
文例 · 用例
きどって黙っていた、むかしのおもかげがただその形ばかりに残ってるのだ。
— 伊藤左千夫 『老獣医』 青空文庫
人びとがおのおの黙して仕事をしてるのを見ると、自分はのけものにされてるのじゃないかという考えを禁ずることができない。
— 伊藤左千夫 『老獣医』 青空文庫
礼子もでてきて黙ってお辞儀をする。
— 伊藤左千夫 『老獣医』 青空文庫
予は強い近視であるからよくは知れなかったが、この時の先生の眼にはたしかに涙があったと思われた、それきり先生は黙してしまい、予も胸|塞がる心持で、語を続けることは出来なかった。
— 伊藤左千夫 『竹乃里人』 青空文庫
お互にしばらく黙している内にも、予は我に返って考えるとなく考えた、この問題については最少し聞いておかねばならぬ、こう思ついたので様子を測って、ただ今のお話について最少し伺っておきたいと思いますが、話をしても宜しゅうございますか。
— 伊藤左千夫 『竹乃里人』 青空文庫
沈黙した三人はしばらく恨めしき池を見やって立ってた。
— 伊藤左千夫 『奈々子』 青空文庫
しばらくは黙っていたけれど、いつまで話もしないでいるはなおおかしい様に思って、無理と話を考え出す。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
今夜は何の話にも僕等二人は除けものにされる始末で、もはや二人は全く罪あるものと黙決されてしまったのである。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫