楽派
がくは
名詞
標準
文例 · 用例
だから何時も一家の者が糊口に迫つて清貧には違ひなかつたが、淡白過ぎての代りにあまりに小さな刹那享楽派であり過ぎて――と云ひ換へても差支へないのである。
— 牧野信一 『円卓子での話』 青空文庫
――ユキ子は、私の身のまはりの世話をしながら油画を習つてゐる娘なのだが、私が理不尽に優し過ぎるので(私には気づかなかつたが)、私から享楽派の悪影響を享けて半年前とは全く見違へる程の野蛮なモダーンガールになつてしまつたといふ専らの噂だつた。
— 牧野信一 『競馬の日』 青空文庫
――なまぢ思はぬ時に、これは何処々々が売れて、お前がとるべき剰余の金だなどゝいふものが入つて来ると憐れな私は、忽ち気分が滅茶苦茶になつて、それが在る間は、希望も何もない浮華な享楽派に変つてしまふのが吾ながら浅間しかつた。
— 牧野信一 『熱い風』 青空文庫
生来がもともと享楽派であるがために「創作と生活」の喰ひ違ひは見るも鮮やかなものだつた。
— 牧野信一 『「学生警鐘」と風』 青空文庫
本来は浮気な享楽派の彼であつたから、斯んな風に籠居してゐるのは牢獄に居る苦しみであつたが、何んなに思ひ立つても、彼は明るみで他人と顔を合せる心になれなかつた。
— 牧野信一 『村のストア派』 青空文庫
こゝに、享楽派の芸術家があるとする。
— 小川未明 『何を作品に求むべきか』 青空文庫
昔曙女史のゐた家)に移つたので、折柄、中学は卒業するし(明治四十三年)、「年頃」ではあり、家兄の見やう見真似もあつて文学美術に心傾けながら、又その頃の文壇影響も小形なりに受けて、「享楽派」が一匹こゝに出来上りました。
— 木村荘八 『私のこと』 青空文庫
ルストとカルル・フィリップ・エマヌエル・バッハと、そしてマンハイム楽派の交響楽作者たちとが作曲上ベートーヴェンの真の先駆者であった。
— VIE DE BEETHOVEN 『ベートーヴェンの生涯』 青空文庫