義理立て
ぎりだて
名詞動詞-サ変動詞-自動詞
標準
doing one's duty
文例 · 用例
つまり観念的な理窟に義理立てしなかったから――今でもこういうものを作ったら便利だと思うんだが」 はじめ、かなり私への心遣いで話しかけているつもりでも、いつの間にか自分独りだけで古典思慕に入り込んだ独り言になっている。
— 岡本かの子 『東海道五十三次』 青空文庫
「男らしさ」への義理立てだけといつた風に振り上げられたその兒の弱々しい拳や、歪められた顏や、殊にけんけんで踊る樣にした恰好が何度となく眼に浮んで來た。
— 梶井基次郎 『矛盾の樣な眞實』 青空文庫
日本では、こういう場合に、客人達に義理立てして、客人達全部が帰ってしまうまで、二時でも三時でも起きて付いています。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
そしてとうとうその夜は寝ずじまいになり、客人達もその義理立てを当然に思って平気で居ます。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
「――あてのこんな姿を見たら、あのひとはどない思うやろ」 鶴雄へのひそかな義理立てから、鈴子の身代りとなって、小郷に身を任したことが、今は情なかった。
— 織田作之助 『それでも私は行く』 青空文庫
どうせこんな結果になるのが、はじめからわかっていたのに、忠誠の置土産などと要らざる義理立てをしたばかりに、かえって不利な立場に押し込まれました。
— 太宰治 『新ハムレット』 青空文庫
もとより父には養子として親戚への義理立てがあったのだ。
— 倉田百三 『光り合ういのち』 青空文庫
もっとも姉の心づかいにはおきえさんへというよりは父への義理立てに迫られたものがあった。
— 矢田津世子 『父』 青空文庫