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上枝

うわえだ異読 うわえ・ほつえ
名詞多音語
1
標準
upper branches of a tree
文例 · 用例
三月末頃から咲き出した紅椿の上枝の花は、少し萎れかかって花弁の縁が褐色に褪せているが、中部の枝には満開の生き生きした花が群がり、四月下旬の午後になったばかりの精悍な太陽の光線が、斜めにその花の群りの一部を截ち切っている。
――二つの連作―― 青空文庫
三十九年八月  晩秋神無月、下浣の七日、病ましげに落日黄ばみて晩秋の乾風光り、百舌啼かず、木の葉沈まず、空高き柿の上枝を実はひとつ赤く落ちたり。
北原白秋 邪宗門 青空文庫
その瞬間、深い紺色の空の彼方から、小石のようなものが一つ飛んで来て、ひょいと上枝にとまって、身軽に立ちなおったのを見ると、それは一羽の小鳥であった。
薄田泣菫 艸木虫魚 青空文庫
*笛の音生命の路のもろ側に聳やぎ立てる『かなしび』の女木、『よろこび』の男木、今宵さしぐむ月代のまみの濕みに、すずろに木靈うらびれて、天の幸夜にあくがるる沈默の深みを、笛の嘆きの音をいたみ、上枝そよろに囁やきて散りこそまがへ、二木の落葉ほろほろに。
薄田淳介 白羊宮 青空文庫
――今ははた、鈍色被衣身ぞたゆげに、苅野に凭ひ、隱り沼の水澁に浸り、伏木に添ひて火移りの昨日を夢み、冷かの今に涙ぐみ、もの倦がほにたゆたひつ、迷ひつ、軈て木の上枝より細高に、い行くか烟、ありなし雲とたゞよひて、天のこころに溶け入りぬ。
薄田淳介 白羊宮 青空文庫
その樹の上枝に天は悦びに胸を躍らして、喇叭のやうな声で高らかに朝の讃歌を唱へる。
薄田泣菫 独楽園 青空文庫
秋の野には、いろんな木の実草の実が、それぞれの枝から、蔓から、累累と垂れ下つてゐるが、なかにも上枝高くくわつと大口を開いて、火焔の塊を吐き出さうとする甘石榴。
薄田泣菫 独楽園 青空文庫
三人の声が一度に途切れる間をククーと鋭どき鳥が、檜の上枝を掠めて裏の禅寺の方へ抜ける。
夏目漱石 一夜 青空文庫
作例 · 標準
例句