蚊燻し
かいぶし
名詞
標準
文例 · 用例
蚊燻しは焚かぬもの。
— 太宰治 『葉』 青空文庫
「どれ、あの遠くのがゝ、分るもんか何處だか」勘次は燃えた處だけがつくりと減つた蚊燻しの青草に目を注ぎながら氣乘のしない樣にいつた。
— 長塚節 『土』 青空文庫
勘次は其の夜蚊燻しの支度もしないで紺の單衣へぐる/\と無造作に三|尺帶を卷いて、雨戸をがら/\と閉て始めた。
— 長塚節 『土』 青空文庫
店先に床几を持ち出して、蚊燻しをしながら唄ったり踊ったりの陽気さに、近所の女子供まで涼みがてらその囲りに立って見物をする。
— 宮本百合子 『貧しき人々の群』 青空文庫
さァ」 初夏でも夜は山中の冷え、炉には蚊燻しやら燈火代りやらに、松ヶ根の脂肪の肥えた処を細かに割って、少しずつ燃してあった。
— 江見水蔭 『怪異黒姫おろし』 青空文庫
蚊の多いに蚊帳もなし、蚊燻しもなし、暗くって薩張り分りません。
— 三遊亭圓朝 『真景累ヶ淵』 青空文庫
明神下の藪つ蚊は飛んだ餌にあり付いて、大喜びだとよ」「へツ、情けねえことになりやがつたな、蚊燻しでも奢つて下さいよ。
— 華魁崩れ 『錢形平次捕物控』 青空文庫
早速電燈を点して見ると王侯貴人と思ったのは※の豚の蚊燻しでした。
— 佐々木邦 『社長秘書』 青空文庫