見澄ます
みすます
動詞
標準
文例 · 用例
そうして誰も通っていないのを見澄ますと、思い切って表の扉を開いて中に這入った。
— 夢野久作 『縊死体』 青空文庫
あたりに人通りの絶えた処を見澄ますと、互いにうなずき合いながら仲よさそうに話し始めた。
— ――博多名物非人探偵 『狂歌師赤猪口兵衛』 青空文庫
それを見澄ますと、隊長はすぐに乗馬を躍らせて次に跳びかかった。
— 里村欣三 『シベリヤに近く』 青空文庫
それでも、注意深く、あたりに人気のないのを見澄ますと、こそこそと体を跼めながら、いまにも崩れそうに積上げられた座蒲団の隙間へ、潜り込んで行った。
— 蘭郁二郎 『夢鬼』 青空文庫
赤心報国真荒男が朝廷思ひの忠実心 眼を血に染めて、焼刃見澄ます国のため念ひ痩せつる腸を 筆にそむとて、吾が世ふかしつ仇に向き ※たゝきけむ古人に ならひてこそは、国に仕へめ正宗の大刀の刃よりも、国のため するどき筆の鉾|揮ひみむ国を思ひ寝られざる夜の 霜の色。
— 折口信夫 『橘曙覧評伝』 青空文庫
眼を血に染めて 焼刃見澄ます※国汚す奴あらばと 大刀抜きて、仇にもあらぬ 壁に物いふ※ひとりごとに歌よみて、遊ぶ外なし。
— 折口信夫 『橘曙覧評伝』 青空文庫
爛と眸の霞を払って敵を見澄ます。
— 高橋泥舟 『剣の四君子』 青空文庫
笠の目堰をぴたりと向けて、じっと見澄ます自斎には、変り果てた新九郎を、その昔、小野の道場で出会ったあの青年とは思いも付かぬらしかった。
— 吉川英治 『剣難女難』 青空文庫