不器用者
ぶきようもの
名詞
標準
bungler
文例 · 用例
畢竟芝居上手が人間で、己れっち見たいな不器用者は虫なんだ。
— 有島武郎 『かんかん虫』 青空文庫
開いて見て元の箱に納めようとすれば、本には薄い包紙が着けてあるので、私のような不器用者にはなかなかうまく這入らず、ともすればその包紙を破ってしまう。
— 三木清 『書物の倫理』 青空文庫
ご承知の通り私の兄は、あの通り上手でございますのに、どうしたものかこの私は、音に出すことさえ出来ないという、不器用者でございましたところ、さああれはいつでしたかな、月の良い晩でございましたが、ぼんやり船の船首に立ち、故郷のことや兄のことを、思い出していたのでございますな。
— 国枝史郎 『名人地獄』 青空文庫
竹田は自分ほど才のない不器用者はないとしてゐる。
— 吉川英治 『折々の記』 青空文庫
『絵なぞ描けるくらいなら、何も粋狂に、こんな山ん中で泥棒なんぞしている奴があるもんか、このがさつ者の不器用者にゃ、とても、とてもよ』『そんな事はない』 老画師は、真面目である。
— 吉川英治 『人間山水図巻』 青空文庫
さほどの不器用者なら失うも悔いとはせぬ) と、奔河のなかへ、子を投じた。
— 吉川英治 『梅里先生行状記』 青空文庫
むしろ鈍物に生れて、生涯一度か二度という時に、一生の働きをいちどにして、あとは不器用者といわれていたほうがいい」 近ごろ四十にも近くなると、甘糟三平も、時々そんな愚痴をこぼした。
— 第四分冊 『新書太閤記』 青空文庫
「この高氏は不器用者です。
— 帝獄帖 『私本太平記』 青空文庫
作例 · 標準
師匠は「この不器用者が!」と怒鳴りながらも、夜遅くまで私の鉋がけの練習に付き合ってくれた。
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世間をうまく渡り歩く友人を横目に、自分のような不器用者は地道に努力するしかないと悟った。
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「本当に不器用者でしてね」と頭を掻きながら、彼はやっとの思いで書いたという手紙を差し出した。
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