草枕
くさまくら
名詞
標準
Kusamakura (1906 novel by Natsume Sōseki)
文例 · 用例
さては五十鈴の流れ二見の浜など昔の草枕にて居眠りの夢を結ばんとすれどもならず。
— 寺田寅彦 『東上記』 青空文庫
その文中で花袋の近作、紀行文集『草枕』の中の事実に合っていない個所を注意した。
— ――田山花袋氏―― 『紀行文家の群れ』 青空文庫
草枕、旅の露宿に加えて、夢も皺かく老の身ゆえに、寝覚めがちな一夜であるのはもっとものことだが、この夜は別けて翁をして寝付かれしめぬものがあった。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
後に『草枕』のモニューメントを築き上げた巨匠の鑿のすさびに彫んだ小品をこの集に見る事が出来る。
— 寺田寅彦 『夏目先生の俳句と漢詩』 青空文庫
夏目先生の「草枕」の主人公である、あの画家のような心の目をもった調律師になって、旅から旅へと日本国じゅうを回って歩いたらおもしろかろうと考えてみた事もある。
— 寺田寅彦 『備忘録』 青空文庫
花枕、草枕、旅枕、皮枕、縱に横に、硝子窓に押着けた形たるや、浮嚢を取外した柄杓を持たぬものの如く、折から外のどしや降に、宛然人間の海月に似て居る。
— 泉鏡太郎 『大阪まで』 青空文庫
歌によむ草枕、かりそめの旅とはいえど半月一月と居馴染めば、これもまた一種の別れである。
— 岡本綺堂 『秋の修善寺』 青空文庫
で草枕の樣な主人公ではいけない。
— 夏目漱石 『鈴木三重吉宛書簡―明治三十九年』 青空文庫