海潮音
かいちょうおん
名詞
標準
sound of the sea
文例 · 用例
妙音観世音 梵音海潮音 観音の有難さ、それは潮の音のごとく大きくひたひたと押し寄せる。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
あはれ、妙音海潮音の海の色もこゝに澄み、ふりあふぐ山懐に、一叢しげれるみどりの草の、蛍の光も宿すべく、濡色見えて暗きなかに、山の端分くる月かとばかり、大輪の百合唯一つ真白きが、はつと揺らぎて薫りしは、此の寂さに拍手の、峰にや響き候ひけん。
— 泉鏡花 『逗子より』 青空文庫
中継ぎに捩れて海潮音に酔うて、うつゝなき形に、三稜の弁の形のビスケットが八枚と八枚を積み重ねる。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
」 覚えず頭を垂れた悟浄の耳に、美しい女性的な声――妙音というか、梵音というか、海潮音というか、――が響いてきた。
— 中島敦 『悟浄出世』 青空文庫
獅子舞歌海潮音 序 巻中収むる処の詩五十七章、詩家二十九人、伊太利亜に三人、英吉利に四人、独逸に七人、プロヴァンスに一人、而して仏蘭西には十四人の多きに達し、曩の高踏派と今の象徴派とに属する者その大部を占む。
— 上田敏 『海潮音』 青空文庫
明治三十八年初秋上田敏海潮音燕の歌 ガブリエレ・ダンヌンチオ弥生ついたち、はつ燕、海のあなたの静けき国の便もてきぬ、うれしき文を。
— 上田敏 『海潮音』 青空文庫
獅子舞歌 海潮音 序 巻中収むる処の詩五十七章、詩家二十九人、伊太利亜に三人、英吉利に四人、独逸に七人、プロヴァンスに一人、而して仏蘭西には十四人の多きに達し、曩の高踏派と今の象徴派とに属する者その大部を占む。
— 上田敏訳詩集 『海潮音』 青空文庫
かかるとき、偶偶に煤けたる赤黒き空氣の幕が、日をさかり卷れあがれば、光を仰ぐ大衆の大叫喚の海潮音、廣場に、旅館に、市場に、住居に、とよもし呻る聲|強く、垂死の人も安んじて、今際の時を送り得ず。
— 上田敏 『牧羊神』 青空文庫
作例 · 標準
窓を開けると、松林を抜けてくる涼やかな風とともに、絶え間ない海潮音が部屋いっぱいに流れ込んできた。
都会の喧騒から離れた岬の突端に立つと、ただ深い海潮音だけが響き渡り、日常の些細な悩みなどどうでもよくなってしまう。
荒天の夜、岩礁に砕ける激しい海潮音が地響きのように伝わり、古びた宿の障子を小刻みに揺らした。
砂浜に寝転んで目を閉じると、遠くの波頭が崩れる海潮音が子守唄のように心地よく、いつの間にか深い眠りに落ちていた。
標準
sound of massed chanting of sutras, etc.
作例 · 標準
堂内に響き渡る荘厳な海潮音に、参拝者たちは静かに頭を垂れた。
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数百人の僧侶が一斉に唱える海潮音が、寄せては返す波のように大伽藍を震わせている。
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「山門をくぐると、どこからか海潮音が聞こえてきて、自然と身の引き締まる思いがしたよ」
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読経の声が一つに溶け合い、重厚な海潮音となって堂内の隅々にまで響き渡る。
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ウィキペディア
海潮音 は仏教用語で、釈迦の説法の際の声の大きい事を波の音に喩えた言葉。
出典: 海潮音 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0