富士山頂
ふじさんちょう
名詞
標準
summit of Mt. Fuji
文例 · 用例
富士山頂大噴火口の鳥瞰写真が、額縁にいれられて、かけられてゐた。
— 太宰治 『富嶽百景』 青空文庫
野中到氏(翁の愛娘千代子さんの夫君で、後に富士山頂に測候所を建て有名になった人)と、翁の縁家荒巻家からの扶助によって衣食していたとはいえ全く米塩をかえりみず。
— 夢野久作 『梅津只圓翁伝』 青空文庫
(栗野達三郎氏談) ◇ 翁の愛婿、前記野中到氏が富士山頂に日本最初の測候所を立てて越冬した明治二十六年の事、翁は半紙十帖ばかりに自筆の謡曲を書いて与えた。
— 夢野久作 『梅津只圓翁伝』 青空文庫
柏崎、三井寺、桜川、弱法師、葵上、景清、忠度(囃子)、鵜飼、遊行柳(囃子) 野中氏は感激して岳父の希望通りこの一冊を友としつつ富士山頂に一冬を籠居したが、その時に「景清」の「松門謡」に擬した次のような戯れ謡が出来たといって、古い日記中から筆者に指摘して見せた。
— 夢野久作 『梅津只圓翁伝』 青空文庫
いずれの時かなだむべきいずれの時かなだむべき」 この戯謡の文句を見ると野中到氏は両親の諫止をも聴かず、富士山頂測候所設立の壮挙を企てたものらしい。
— 夢野久作 『梅津只圓翁伝』 青空文庫
そうして只圓翁の凜烈の気象は暗にこれに賛助した事になるので、翁の愛嬢で絶世の美人といわれた到氏夫人千代子女史が、夫君の後を趁うて雪中を富士山頂に到り夫君と共に越冬し、満天下の男女を後に撞着せしめた事実も、さもこそとうなずかれる節があるやに察せられる。
— 夢野久作 『梅津只圓翁伝』 青空文庫
去年の夏の休には富士山頂から画はがきをよこしたりした。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
途中で、富士山頂の觀測所長で、十何年も冬の富士山頂を知っているF氏の訪問を受けたことがある。
— 中谷宇吉郎 『冬ごもり』 青空文庫