道中差
どうちゅうざし
名詞
標準
文例 · 用例
関のさびれた町に入って主人は作楽井が昨年話して呉れた古老を尋ね、話を聞きながらそこに持ち合っている伊勢詣りの浅黄の脚絆や道中差しなど私に写生させた。
— 岡本かの子 『東海道五十三次』 青空文庫
すると、男は必死になったらしく、道中差を抜くと、妻を後に庇いながら身構えした。
— 菊池寛 『恩讐の彼方に』 青空文庫
」 寿平次は腰にした道中差しを部屋の床の間へ預ける時に言った。
— 第一部上 『夜明け前』 青空文庫
道中差を一本腰にぶちこんで、草鞋ばきのまま、何か資本のかからない商売でも見つけ顔に歩き回っている男もある。
— 第一部上 『夜明け前』 青空文庫
」 竹槍、棍棒、道中差し、得物をひっさげた百人あまりの乾児、ワーッとばかり鬨の声を上げた。
— 国枝史郎 『神秘昆虫館』 青空文庫
合羽を着、道中差しを差し、両手を袖に入れている恰好は、博徒か道中師かといいたげで、厭な感じのする男でした。
— 国枝史郎 『犬神娘』 青空文庫
そこに、武林のと二本、道中差が置いてあるのだ。
— 林不忘 『口笛を吹く武士』 青空文庫
与吉と、与吉の道中差しは、鉄砲玉のように空になって疾駆し去った。
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫